家に着く頃には電気も消えていて
暗い中、そっとキッチンへ行きビールを取り出したり、野菜があったらちょっとつまんだりしているのですが。
みんな寝静まっているはずの暗闇から
かさこそ音がしたと思いねえ。
そして…それがどうも、床を蹴る爪の音だと分かったときに私が考えたのは次のようなこと。
ぐりが何らかの理由でおばけになり、今こちらへ向かっている(マジで)。
なぜならこの時間帯、ぐりは鍵のかかったケージで寝ているはずなのです。
「おーい、ぐりちゃーん」
内心どきどきしつつ、そう呼んでみたところ、
暗闇の中の黒ラブなのでやっぱりよくわからないけれど
トイレの電気を点けてその明かりでかろうじて見てみると
はたしてぐりでした。
普段はケージに入って寝ているぐりが、何で? と
ケージを見てみたところ、いつもと違う入り口が開いている。
どうやら鍵のしめかたがゆるかったのが、何かの拍子で外れたようです。
そして私が帰ってくる音を聞きつけて、玄関まで迎えに出てきてくれたもよう。
意外な出迎えを受けて、
ひやりとし
それでいて、ぐりは寝ていても、ケージの扉さえ開いていれば
きちんと出迎えてくれるものなんだなあ、と
その親切ぶりに嬉しくて、思わずお礼を言ったり。
とりあえず、ぐりおばけでなくてよかったことであるよ。
ぐりはかわいいが、おばけだったらちょっと恐いからな。