ぐり様はどうやらほめられたようです。
「ぐり、ほめられたもんね〜」
という私の母。
何が「ね〜」だよ!と思いつつ
ぐりがほめられたという話。
前々からおとなしいと評判のぐりさんですが
やはりおとなしい部類に入るとお墨付をいただきました。
人間好きのぐりは、人がきたら一通り飛びついて挨拶をしますが
後は床にだらっと寝そべり、リラックスして過ごしています。
犬に対する関心は非常に薄く、
知り合いの犬に会ってもあまり遊ばない上に
吠えられても「へ?」という顔をして吠え返すということをしない。
おとなしい、というより
おっとりしている。
これは人間でもそうだけれど
子供の頃にうんと大事にされた人というのは
家族から目には見えない何かを
ある力としてぐっと受け取っている。
それがある種のおおらかさというか、
そういうものを含んだ空気みたいにその人を包んでいる感じだ。
単純に、家族に護られている間
人はいくらでもいい人でいられるので
一旦外に出て、厳しいものにさらされて
ようやくそれは本人の力になるのだけれど
ぐりにはまだ、外に出る前の
やわらかい空気がある。
恋人のIさんを見ていても同じことを思う。
彼も家族から、絶対的な何かを受け取った人だ。
そこに本人がこれまで見てきたものや、経験が
裏づけとして底の方に、地下水脈みたいに流れている。
そのあたり、私も似たような感じで
おおきなものを受け取っている。
そういう二人だなあ、と思いつつ
そういう家だから、ぐりもああいう風に育ってくれたのかもしれないなあ、
それでいてIさんは、今度ぐりと遊んでくれるそうです。
ぐりのことを少し恐いとは、いっていましたがね。
けものなのでいつ豹変するかは定かではないけれど
ぐりさんは多分、彼を噛んだりしない。
大丈夫だよ。