別にどうっていうことはないのですが
美容室でぱらぱせとてきとうに雑誌をめくっていたときのこと。
私の好きなチーズマーケットが載っていて
「空輸で直輸入されるチーズを100グラム単位で買えます!」
という紹介を、そうそう、そうなんだよねー、と頷きつつ読んでいて
ふと気付いたのでした。
これって、オレじゃん。
記事のタイトルは"読者のオススメ"だし。
29歳・Naoko・会社員って
当時29歳だった自分ではないか。
そういえば…このことを書いたアンケートハガキで
確かこの雑誌でワイン1本を当ててもらったのだが
そういう風に使ってもらえるとは…嬉しい限りであることだよ。
私が今、毎日美味しくお茶を飲んでいるのも
この雑誌が別冊で出しているカフェの案内本がきっかけだったし
その本のおかけで髄分といい店に足を運んだし
知り合いもできた。
こうやって…縁はつながっていくのだ。
最近ちょっとエネルギー量がうんとダウンしていたので
つながりについてはちょっと暗い考えに行きそうになっていたのだが
多分こういう考えも、肉体の疲れとかが重なって生み出しているものだし
きっとこういう状況も長くは続くまい、と
思える兆しがほんのちょっとだが生まれたので
よかったと思う。
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情熱大陸で、角田光代さんを見る。
彼女の住む街の景色を見ていると
横浜でいろいろ無理して、へとへとになっていた頃の自分を思い出して
何だかきゅんとなった。
東京の下町とかって…生理的に道路の幅とかがすごく苦手なのに
無理矢理好きになろうとしていたこととか
友達を作ろうと必死になっていたこと、
そこで何とか楽しみを見つけようとしていたこと
などなど。
これはあくまでも個人的な感じ方なので
生まれが東京という人とは多分感覚が違うだろうし
地元より全然首都圏の方が楽しいっス!という人もいるだろう。
しかし北海道は他の本州の地域と全然違う…沖縄ほどではないけれど
そして地方出身の人は、とこかで必ず
自分の生まれたところと、今住んでいる街を比べているのではないか。
そのときの…あのもったりと重い感じ、
多分ここを本気で愛している人たちほど
実はここをそんなに好きじゃないし
何だかんだ言って札幌で暮らすのが自分には一番合っているんではないかなあ、と
どこかでわかっていつつ、都会のよさも知り
帰ったりしたら、世の中の流れから取り残されるんではないかという
ものすごく漠然とした不安とか
自分の住んでいるところをあまり好きでないことに対して
妙にうしろめたく感じていたこととか
そういう全部が私の東京に対する気持ちを未だにちょっと重くしているのだ。
だから、4月にフジ子・ヘミングを聞きに行くときは
あくまで札幌に住んでいる道民の人として
ちょっと東京に遊びに来てみたことだよ! というスタンスで
新しい目で街をいろいろ見て、楽しいことをたくさんして
明るい感じを持ち帰りたい。
生活のベースがこっちにあれば
それは可能だ。
もともと好きな感じの街だと思う。
あれだけいろいろあって、しかも日本語が通じるのだ。
というようなことを考えながら見ていたので
肝心の角田さんのこととかが、妙にぼんやりした印象しか残っていないことを
少し反省する。
今度本屋で、彼女の作品をゆっくり見てみることにしよう。